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新型睡眠薬「スボレキサント」 とは?~不眠症に悩む日本人は20%も~

公開日
更新日

 
執筆:Mocosuku編集部
 
医療監修:株式会社 とらうべ
 
 
2014年11月下旬にメルク・アンド・カンパニー(米国の製薬会社)が開発した、スポレキサント(製品名:ベルソラム)が新型睡眠薬として発売されました。
スポレキサントは世界に先駆けて日本で発売されることになりましたが、これまでの睡眠薬と比べると依存性が少ないとも言われていて、不眠症に効く新しい治療薬だと注目されています。
新型睡眠薬「スボレキサント」 とは、どんなクスリなのかご紹介します。
 
 

新型睡眠薬「スボレキサント」:日本人の2割は不眠に悩んでいる

 
今や不眠症は決して珍しい病気ではありません。というのも、日本人の5人に1人が不眠に悩まされていると言われているからです(厚生労働省調べ)。
 
不眠症の治療に用いられるのが「睡眠薬」です。
最近では寝つきをよくする「睡眠改善薬」が市販されていますが、これは睡眠薬とは区別されています。睡眠薬は医師の処方を受けることが必要です
 
ストレスや生活リズムの乱れなどから生じる不眠症。
寝つけない(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚めてそのあと眠れなくなる(早朝覚醒)、ぐっすりと眠った満足感が得られない(熟眠障害)といった症状が起こります。
 
これまで睡眠薬は、日本ではおもに「ベンゾジアゼピン系」と「非ベンゾジアゼピン系」とが用いられてきました。
脳の働きを抑制する「ベンゾジアゼピン受容体」が刺激されると眠気を催します。
 
ベンゾジアゼピン系/非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、このメカニズムに作用して眠りをひき起こすものです。また、どちらも一定の効果が得られる一方、医師の指示を守らず多量に服薬したりすると、依存性が問題となる場合がありました。
 
 

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「覚醒状態を抑制する」作用をする 新型睡眠薬「スボレキサント」

 
スボレキサントは、神経伝達物質「オレキシン」に作用して眠りを誘発するという、ベンゾジアゼピン系とはちがった新しい作用メカニズムをもつ薬です。
 
間脳にある視床下部からオレキシンは分泌され、脳内のオレキシン受容体と結びついて、脳の覚醒を維持する働きをします。新型睡眠薬スボレキサントは、このオレキシンとオレキシン受容体の結びつきを妨げて睡眠を誘発します。
 
このように、スボレキサントは「覚せい状態を抑制」するのに対して、これまでの睡眠薬は「睡眠を促す」作用を果たしていました。
 
 

新型睡眠薬「スボレキサント」 :金沢大学の研究チームが発見したオレキシン

 
スボレキサントについて、オレキシンとその作用を発見したのは、金沢大学の研究グループでした。12週間の臨床試験では依存性がないことも確認されていて、長期にわたる不眠に悩まされ、睡眠薬の服用を続けている患者さんにとっては朗報と言えるでしょう。
 
スボレキサントはベンゾジアゼピン系/非ベンゾジアゼピン系に代わる新しい睡眠薬として注目されています。
日本の研究機関による最先端研究が新薬開発につながったという次第ですね。
 
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

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