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【睡眠障害】不眠のタイプと原因について解説! “女性特有の不眠”も

公開日
更新日

 
執筆:Mocosuku編集部
医療監修:株式会社 とらうべ
 
 
「ここ最近、なんだか寝てもスッキリしない」というあなた。
 
“睡眠障害”という言葉を聞いたことがありますか?
 
原因が思い浮かばないというと時は、もしかしたら睡眠障害かもしれません。睡眠障害には「不眠症」「過眠症」「睡眠呼吸障害」「睡眠関連運動障害」「概日リズム睡眠障害」「睡眠時随伴症」などがあります。
 
ここでは、睡眠障害の概要について説明するとともに、女性ホルモンが影響する女性の不眠についても詳しく説明していきます。
 
 

不眠症、そのタイプと原因

 
不眠は、文字通り「眠れない」ことをいいますが、次のようなタイプがあります。
 

  • ・入眠障害
     なかなか寝つけないタイプ。布団に入ってから1時間以上寝つけないなど
  •  

  • ・中途覚醒
     睡眠中に目が覚めてしまうタイプ。2回以上目覚めてその後は眠れないなど(※)
  •  

  • ・早朝覚醒
     通常よりも早く起きてしまうタイプ。2時間以上早く目覚めるなど
  •  

  • ・熟睡障害
     眠ったつもりでも、よく眠ったとの実感がないタイプ

 
なお、これらの症状が複合的に生じることがあります。
 
また、不眠の原因となりうる要因はさまざまあり、身体的なもの、精神的なもの、物理的なもの、そして薬等の影響などが考えられます。
 
例えば、身体的な要因としては、年齢的な体の変化、後述するような女性ホルモンの影響、痛み・痒み等睡眠を妨げる症状などです。
 
精神的なものとは、ストレス、悩み、興奮、緊張などです。また物理的なものとしては、暑さ・寒さ・騒音・明るさ・暗さ等の環境的な要因です。
 
薬等の影響としては、服用している薬の副作用やアルコール、ニコチン、カフェイン等の摂取が例となります。
 

(※中途覚醒については、Mocosuku運営姉妹サイト「中途覚醒:朝までぐっすり眠りたい!睡眠障害のひとつである中途覚醒の原因と対策」で詳しく説明していますので、参考になさってください)
 
 

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過眠症

 
過眠症とは、夜睡眠をとっているのに、昼間に起きていられないほどの眠気を感じる状態です。
 
過眠症には以下のものがあります。
 

  • ・傾眠期と呼ばれる強い眠気を感じる期間が3~20日程度持続し、不定期にこの傾眠期が現れる「反復性過眠症」
  •  

  • ・昼間の我慢できない眠気、居眠りがリピートする「ナルコレプシー」。居眠りは長くても30分以内と短く、居眠り後はすっきりする。
  •  

  • ・眠気が日中に生じ、1時間以上続く居眠りが主な症状である「特発性過眠症」

 
 
過眠症の原因として、夜の睡眠に何らかの問題がある、脳の覚醒維持の働きに何らかの異常があることが考えられています。
 
 

睡眠呼吸障害

 
睡眠呼吸障害とは、睡眠時の呼吸に異常がある病態を指し、最近かなり周知されるようになった睡眠時無呼吸症候群が、この睡眠呼吸障害の代表的な疾患となっています。
 
1時間当たり5回以上の無呼吸もしくは低呼吸があった場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
 
睡眠時無呼吸症候群になると、昼間に眠たくなる、起きているときに疲れやだるさを感じるる、頭痛等の症状がある…だけではなく、脳梗塞、高血圧、虚血性心疾患の原因になることが明らかになっています。
 
 

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概日リズム睡眠障害

 
体内時計のサイクルと生活のパターンがあわないために生じる睡眠障害です。
 
具体的には工場などで、夜と昼の勤務を交互に繰り返すような状況で、夜眠れなくなる、昼間に眠たくなる、能率が落ちる、その他身体的・精神的症状が生じる場合があります。
 
また、朝まで寝つけず寝つくと昼過ぎまで寝てしまう、夕方から眠くなり早朝に目覚める、就寝時間、起床時間が1~2時間づつ遅れていく、睡眠と覚醒が昼夜関係なく不規則になる…等様々な病態があります。
 
 

睡眠関連運動障害

 
睡眠関連運動障害として「むずむず脚症候群」と「周期性四肢運動障害」があります。
 
むずむず脚症候群は、床に就くと、足にむずむずするような不快な感覚が生じ、なかなか眠れないという症状がおきます。むずむず脚症候群の原因としては、ドーパミンの機能障害、鉄分の不足、遺伝的要因等が想定されています。
 
周期性四肢運動障害は、就寝中に自分の意思とは無関係に手足がびくつくため、深い眠りを得られないという病気です。
 
この病気の原因ははっきりとわかっていませんが、睡眠薬や抗不安薬を服用している、鉄欠乏性貧血、腎機能障害、むずむず症候群である…等の人に多くみられるようです。
 
 

睡眠時随伴症

 
睡眠中、睡眠前後に生じる好ましくない現象をさします。

 
例えば、深い睡眠時に歩き回る「夢遊病(睡眠時遊行症)」、泣き叫ぶ「睡眠時夜鷹症等」です。
 
 

女性特有の不眠って?

 
前項までは、睡眠障害の概要について説明をしてきましたが、ここからは、睡眠障害の中でも、多くの女性が悩んでいる女性特有の不眠について説明します。
 
この種類の不眠をおこすのは、女性ホルモンのバランスの崩れです。
 
例えば生理前。
 
女性の性周期は、女性ホルモンによってコントロールされています。月経の終わりごろから排卵前までの間に多く分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と、排卵が終った後から次の月経の間に増える黄体ホルモン(プロゲステロン)です。
 
黄体ホルモンには、基礎体温を上げる働きがあります。そのため、夜間も体温が下がりにくくなり、眠りが浅くなる、眠りにくい、昼間に眠気を感じる、といったことも多くなるといわれます。
 
また、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が多い時期は「頭痛」「腰痛」「腹痛」「浮腫み」「精神的に不安定になる」「吹き出物が出る」など、個人差はありますが様々な症状が出やすいこともあり、睡眠の質が落ちやすくなるのです。
 
このような月経時に出る症状がひどい場合は、「PMS(月経前症候群)」と呼びますが、なかでも30代の人の症状が一番重いといわれています。
 
仕事と生活の忙しい時期のストレスにより、さらに症状が悪化しやすいようです。
 
また、45歳~55歳ころは閉経の時期(更年期※1)であるため、卵胞ホルモンの量が減っていきます。

 
ホルモンの量が変化するこの時期は、脳の睡眠中枢にも影響が出て、入眠障害や中途覚醒といった症状があらわれます。
 
その他にも「のぼせ」「ほてり」「めまい(※2)」「肩こり」などさまざまな身体症状があらわれるため、身体症状と睡眠障害がお互いに作用し合い、症状が強くあらわれることもあります。
 
いずれにしても、人はしっかりと眠ることで疲労を回復しますので、不眠が続けばカラダにも悪影響が出てきます。
 
PMS(月経前症候群、※3)の症状や更年期症状が辛い場合には病院で相談することで症状が緩和し、眠りやすくなるかもしれません。
 

不眠が生理周期に関連しており一過性であるならば良いのですが、不眠の状態が1か月、週3日以上続くようであれば長期不眠症になる可能性があり、改善するのが難しくなるので病院で相談し治療を検討する必要があります。

 
 
(※1 更年期については、Mocosuku運営姉妹サイト「更年期障害を発症する年齢 とは?更年期障害にどう対処する?」「更年期における生理不順 の症状、原因、対応策とは?」で詳しく説明していますので、参考になさってください)
 
(※2 めまいの原因については、Mocosuku運営姉妹サイト「めまいの原因 はなに?めまいには身体の部位毎に症状と原因が」で詳しく説明していますので、参考になさってください)
 
(※3 PMSについては、Mocosuku運営姉妹サイト「PMSの治療 方法にはどんなものがあるの?」で詳しく説明していますので、参考になさってください)
 
 

睡眠障害 :どこで診察してもらえるの?

 
女性の不眠の場合、女性特有の症状に関連した不眠の可能性があるため、女性外来や女性専門外来を設けている病院、婦人科がおすすめです。
 
一般的な不眠では「内科」「心療内科」「精神科」や睡眠外来を設けている病院などで相談することもできます。
 
 

睡眠の問題に対するアプローチ:音楽

 
睡眠に関する問題を解決する手立てとして、「睡眠に良い音楽」が注目されています。
 
不眠症や寝つきの悪さに悩む人は少なくありません。リラックスしたり、寝つきをよくする効果の高い「音楽」を効果的に活用し、満足の得られる睡眠を目指しましょう。
 
 
「日本人の5人のうち1人(20%)が不眠症に悩んでいる」と言われている昨今。
 
不眠症とまでは言わずとも、夜布団に入っても目が冴えて眠れなかったり、「あれこれ考えているうちに時間が経ってしまった」という経験は、ほとんどの人があることでしょう。

 
その原因の一つには、就寝時、身体がリラックスモードに切り替えられていない、ということがあります。
 
身体が緊張モードにあるときは、すなわち、身体をコントロールしている脳も緊張しています。そのような脳の緊張を和らげることに、音楽が効果を発揮するのです。

 

人間の脳の働きは、電気信号で表すことができます。起きている時や、寝ている時、また緊張している時、リラックスしている時など、それぞれの状態の時に特徴的な脳波がみられることがわかっており、周波数によって次の5種類にわけられます。
 

・δ(デルタ)波:0.5~4Hz
 深い眠りについている時や無意識の状態の時に現れる。
 
・θ(シータ)波:4~7Hz
 眠りかけや、うとうとしている状態の時に現れる。
 
・α(アルファ)波:8~13Hz
 リラックスしている時や、心を落ち着けて集中している時に現れる。
 
・β(ベータ)波:13~30Hz
 日常で仕事や家事などの活動をしている時に現れる。緊張や不安の感情を抱く時にも
みられる。
 
・γ(ガンマ)波:30~80Hz
 興奮している時や怒りの感情の時に現れる。

 

脳波は、深い眠りについているなど、脳の活動が低下している時ほど周波数が低くなります。起きている時はβ波が中心となりますが、布団に入りスムーズに眠りにつくためには、心身をリラックスさせるα波が現れる状態にすることが肝心です。
 
不安や緊張など、感情が高ぶっている時に、音楽を聴いて気持ちが安らいだことがあるでしょう。
 
そのように脳波を切り替えるための方法として、音楽を聴くことの効果はさまざまな場で検証されており、とくにリラックス効果の高い睡眠用BGMなども作られています。
 
 

睡眠に良い音楽の活用方法

 
一言で睡眠音楽と言っても、その種類は多岐にわたり、音楽を聴く環境なども効果に関わってきます。
音楽の種類としては、聴く人自身にとって心地よいものであることが第一ですが、α波を引き出すためには次のようなものがおすすめです。

 

  • ・一定のテンポの曲
  • ・歌詞がない曲
  • ・鳥の鳴き声や川のせせらぎなど、自然の音が含まれている曲

 
一般的に「ノリの良い」音楽や歌詞がつく曲は、普段耳にするには良いものの、逆に覚醒を促してしまう場合があり、心地よい睡眠を得るためには不向きです。
 
クラシックミュージックの中ではモーツァルトの曲の効果が高いと言われており、市販の睡眠用BGMも多く販売されていますから、自分に合うものを見つけましょう。
 

また、α波は寝室の環境にも左右されます。音量は、睡眠に適した40デシベル(静かな図書館内程度)以下になるよう調整しましょう。
 
照明は月明かり程度がもっとも睡眠に適しているため、光の刺激が強いパソコンで音楽を流すことはおすすめできません。オーディオやポータブルプレーヤーなどを活用し、光・音など五感に配慮した環境を整えることが効果的です。
 
さらに、α波が出て、心身がリラックスした状態に切り替わるためには、一定の時間が必要となります。就寝時間の30分~1時間前より、このような環境を整え、心地よい眠りにつくためのリラックスタイムを設けることが大切です。

 
 

睡眠に良い音楽は不眠症の治療法としても注目

 
海外の研究では、音楽を3週間、毎晩繰り返し聴くことで、その音楽を聴くと眠れる習慣ができた、という報告がなされていて、音楽療法は不眠症の治療法としても注目を集めています。
 
効果が得られるまでに多少時間がかかったとしても、副作用のない音楽で自然な眠りにつくことが出来れば、とても画期的な治療法と言えるでしょう。

 
睡眠に限らず音楽には、心身をリラックスさせ自律神経を整える働きもあります。自分に合った音楽を見つけて、健やかな生活に役立てましょう。
 
 

睡眠薬の作用

 
睡眠障害、とりわけ不眠症については、西洋医学や薬学ではよく、睡眠薬や睡眠導入剤を用いる薬物療法が行われています。
 
たとえば、現在多く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、GABAと呼ばれる神経伝達物質やその受容体に作用して、興奮の抑制や緊張の緩和をめざします。
 
また、最近では、睡眠と覚醒のスイッチを切り替える役割を担うホルモンのメラトニンに作用して、体内時計をリセットさせる不眠症治療薬なども使われています。
 
西洋医学ではこのように、比較的直接的に神経伝達物質やホルモンに作用して、睡眠を誘発するような機序で睡眠薬がつくられているのに対して、漢方では不眠症にどのように取り組んでいるのでしょうか。
 
 

漢方医学の視点

 
漢方の診療では「四診」と呼ばれる診断法が用いられます。
 
望診(ぼうしん:観察)、聞診(ぶんしん)と問診(もんしん:ともに聞き取り)、切診(せっしん:触診に相当)です。その結果、判断される患者の状態を「証:しょう」」といい、西洋医学でいう病気の原因に該当します。
 
また、「証」を決定するコンセプトが、陰陽、虚実、気・血・水、表裏、寒熱、補瀉などの概念だそうです。
 
そして、証を解消するように漢方薬などが処方されていきます。
 
 

不眠症への漢方のアプローチ

 
漢方には西洋医学の睡眠薬のように、直接的に眠りをうながす薬はないそうです。
 
四診と証によって身体全体の病態を明らかにし、不眠が起こる原因を解消することによって、自然に眠りが訪れるように誘導することをめざしています。
 
そのために漢方薬が用いられます。証の状態によって次のような漢方薬がよく用いられています。
 
 

不眠症によく用いられる漢方処方

 

実証(体力や抵抗力があり、生理機能が高まっている状態)

 
・黄連解毒湯(おうれんげどくゆ)
 体力が中程度以上。イライラして落ち着かない、のぼせや高血圧、更年期障害などで不眠傾向がある
 
・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
 体力中程度以上。不安やイライラ、便秘、高血圧などの症状がある不眠に
 
・三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
 体力中程度以上。頭痛感、のぼせ、顔面紅潮、耳鳴り、肩こり、不安、便秘、高血圧、更年期障害などによる不眠に
 
 

虚証(体力や抵抗力が低下し、生理機能が衰えている状態)

 
・加味帰脾湯(かみきひとう)
 体力中程度以下。血色不良、胃腸虚弱、圧痛、貧血、熱感、不安、自律神経失調症などに伴う不眠に
 
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
 体力中程度以下。頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、発汗、動悸、冷え、不安、イライラ、便秘、低血圧、月経不順、更年期障害を伴う不眠に。
 
・帰脾湯(きひとう)
 体力が中程度以下。血色不良、胃腸虚弱、心身の疲労、不安、自律神経失調症を伴う不眠向け。
 
・香蘇散(こうそさん)
 体力虚弱、胃腸虚弱、神経過敏、不定愁訴、アレルギー疾患などを伴う不眠に。また、入眠時の不安改善にも効果的。
 
・酸棗仁湯(さんそうにんとう)
 体力が中程度以下。のぼせ、動悸、疲労感、手足のほてり、イライラ、不安などを伴う不眠に。
 
・人参湯(にんじんとう)
 虚弱体質、冷えによる腹痛、倦怠感、食欲不振、疲労感、手足の冷え、冷え性、寝汗、下痢などを伴う不眠に。体質改善にも使われる。

 
 

中間証(特徴が虚実のどちらかに偏っていない)

 
・三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)
 体力が中程度またはやや虚弱。口の渇き、皮膚のかゆみ、手足のほてり、荒れなどを伴う不眠。
 
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
 体力が中程度。めまい、ノド・食道部の異物感、むくみ、動悸、吐き気、気のふさぎ、不安などを伴う不眠。
 
・抑肝散(よくかんさん)
 体力中程度。神経の昂り、イライラ、更年期障害、子どもの夜泣きや不眠に。
 
 

漢方について、医師からの助言

 
西田慎二医師(日本赤十字社和歌山医療センター心療内科部長)によると、比較的、女性には「加味逍遙散」を用いることが多く、子どもの不眠や夜泣きには「抑肝散」が多用されるとのこと。
 
また、単に眠れるようにするだけでなく、漢方には以上に挙げたように、不眠に付随する症状を緩和することもできるメリットがあるそうです。
 
さらに、西洋薬(睡眠薬など)と併用することも可能だそうで、そのさいには、睡眠薬の作用をサポートしたり、副作用をとったりすることも可能なようです。
 
(参考:ツムラ『漢方について』

 

専門医によく相談して、このような効果が得られると楽になれるでしょう。

 
 

いびきについて考える

 

自分では気づかないいびき。
 
いびきを自覚しないまま、結果として放置しがちですが、いびきをかく場合は何かの病気の兆候である場合が多く、放っておく事は危険です。
 
いびきの治療について、その方法を説明していきましょう。
 
いびきの治療を行うには、その原因を明確にすることが必要です。なぜなら原因によって、その治療方法は異なるからです。
 
順番に見ていきましょう。
 
 

いびきの原因の明確化とアクション

 
最初に行う事は、鼻づまりがあるかどうかです。鼻づまりがあるようでしたら、まずは耳鼻科で、何が鼻づまりの原因なのか見極めて、治療を行います。
 

鼻づまりが無い場合は、いびきが常に起こっているものなのか、一過性のものなのかを確認します。
 
一過性のものであれば、生活上でその原因を探り、改善をします。このステップで改善をしない場合は、「睡眠時無呼吸症候群」を疑う必要がありますので検査をうけましょう。
 
またいびきをかくことが常態化している場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査をうけます。
 
なお睡眠時無呼吸症候群とは、無呼吸(10秒以上気道の空気の流れが停止した状態)が30回以上/晩、または5回以上/時間ある状態を指します。
 
「脳が不眠の状態で昼間に眠くなる」「集中力が低下している」「抑うつ的症状が出る」などの症状を引き起こします。また高血圧、脳卒中、心疾患、糖尿病等の合併症の要因にもなり、注意が必要です。

 
このように、原因を明確化した後、原因に応じて治療を行っていきます。
 
 

いびきの治療:鼻づまりがある場合

 

鼻づまりがある場合、何らかの鼻の病気であることが考えられます。
 
想定されるのでは、「慢性副鼻腔炎」「アレルギー性鼻炎」などです。耳鼻科で、これらの原因に応じた治療を行い、鼻づまりがおさまれば、いびきも改善する可能性が高いです。
 
 

いびきの治療:鼻づまりが無い場合

 
一過性の場合、生活を見直す事が必要です。
 
・喫煙や飲酒
習慣的な喫煙は、気道に炎症を起こし慢性化させます。
 
すると、気道が狭くなり、いびきを引き起こしやすくなりますので、禁煙は重要です。また飲酒により、上気道が狭くなり、いびきを引き起こしやすくなりますので、寝酒、深酒は避けましょう。
 

・寝る時の方向
仰向けよりも横向きで寝る事により、上気道が閉まるのを抑え、いびきが改善できます。
 

・太り過ぎ
太ると上気道の壁にも脂肪がついて、上気道が狭くなり、いびきの原因となります。減量をする事は重要ですね。
 
 

いびきの治療:睡眠時無呼吸症候群の場合

 

睡眠時無呼吸症候群には、上気道が狭くなり、空気が充分に通らなくなるため、呼吸が止まるタイプの「閉鎖性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)」と呼吸中枢が正常に機能しないため、脳からの呼吸指令が出ない「中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA)」の二つに分かれます。
 
睡眠時無呼吸症候群の患者の9割は、OSAのタイプだと言われています。

 
上気道が狭くなるため起こるOSAの場合、減量、飲酒・喫煙の抑制、横向きでの睡眠等生活習慣の改善については必要ですが、呼吸中枢の問題によるCSAと同様、特別な治療が必要になる事があります。
 
 

閉鎖性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)

 
・マウスピース
 下顎を前方に固定し、気道を広く保つマウスピースを着用し、無呼吸になる事を防ぎ、結果としていびきを治療します。
 
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)
 人工呼吸器で、マスク内の圧力を一定内に保持し、呼吸を補助します。
 
睡眠中に気道に空気を送り、気道が塞がるのを防ぐことにより、無呼吸になる事を防ぎ、結果としていびきを治療することになります。
 
・外科的手術
 気道を塞ぐ部分を取り除き、無呼吸の根本的な解決を図ります。

 
 

いびきの治療:中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA)

 
CSAの場合、循環器や脳卒中等脳の病気を合併する事が多く、これら基礎疾患の治療が優先されます。
 
無呼吸の症状については、上述CPAPが行われるケースもありますが、高めの吸気圧と低めの呼気圧を交互に送りこみ、よりラクに呼吸できる状態にした呼吸補助の手段であるBPAP療法を行うケースも多いようです。
 
 

いびきを放置することのリスク

 
前述したように、いびきの主要な原因である睡眠時無呼吸症候群を放置すると様々な合併症を起こし、健康にとって大きなリスクとなります。

 
睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中に無呼吸で酸素が不足する状態と正常な状態を繰り返します。
 
この状態を間欠的低酸素血症といい、体内の炎症を生じたり、脳に影響を及ぼすことがわかってきています。
 
また、このように睡眠が分断されることにより、通常であれば睡眠時には働かない交感神経が活発に働き、自律神経のバランスが崩れ、ホルモンの分泌に異常を生じたり、体内に炎症を起こすと考えられています。
 
この睡眠時無呼吸症候群による間欠的低酸素血症と交感神経の亢進は、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病等の合併症の発症と関係があると言われています。
 
 

高血圧から心疾患へ

 
無呼吸から呼吸が再開するとき、脳は覚醒します。脳が覚醒すると交感神経が活性化し血圧はあがります。夜間に血圧が低くならない、高くなる場合、心疾患を起こすリスクを高めてしまいます。
 
心臓の一部である心房が充分に収縮できない状態となる心房細動は不整脈の一種ですが、睡眠時無呼吸症候群の人は、そうでない人と比較すると、心房細動になるリスクが2倍以上も高いという報告例があります。
 
 

脳卒中

 
脳卒中とは、血管が狭くなったり詰まったりする脳梗塞や血管が破れてしまい、出血が生じる脳出血等で、命を脅かす病気です。
 
またこの病気は麻痺、言語障害など重い後遺症を生じるケースも多い深刻な病気です。この脳卒中・脳梗塞を発症するリスクは重症の睡眠時症候群の場合高くなると報告されています。
 
 

糖尿病

 
糖尿病のリスクも睡眠時無呼吸症候群により高くなります。この相関関係については明らかになっていませんが、間欠的低酸素血症と呼吸再開時の覚醒が糖代謝の異常と何らかの関連性があると考えられています。
 
このようにいびきの主原因の一つである睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病と密接な関係があります。
 
よって、再三繰り返しているように、いびきを放置しないように注意することが重要です。
 
【参考】
花輪壽彦監修『漢方薬・生薬の教科書』新星出版社、2015.
 
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

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